(コメント):『里の秋』(さとのあき)は、斎藤信夫作詞・海沼實作曲による日本の童謡で、戦後の家族の祈りと故郷の情景を描いた曲です。1945年にラジオで初放送され、1948年に川田正子の歌でレコード化されました。
🎶 曲の概要
- 作詞:斎藤信夫
- 作曲:海沼實
- 初演:1945年12月24日、ラジオ番組「外地引揚同胞激励の午后」で放送
- レコード発売:1948年、日本コロムビアより川田正子の歌で発売
- ジャンル:童謡・抒情歌
- 評価:小学校の音楽教科書に長年掲載され、2007年「日本の歌百選」に選定
📝 歌詞の内容と意味
- 第1番:母と子が囲炉裏端で栗を煮ながら、静かな里の秋を過ごす情景。
- 第2番:星空を見上げ、戦地にいる父の笑顔を思い出す。
- 第3番:南方の「椰子の島」から父が船で帰ることを願い、母と子が祈る。
→ 戦争で離れた父の無事を祈る家族の姿が描かれており、戦後の人々の心情を反映しています。
📜 原詩「星月夜」との関係
- 原詩は1941年に斎藤信夫が作った「星月夜」。
- 1・2番は「里の秋」と同じだが、3・4番は戦意高揚的な内容(父の武運を祈り、将来は自分も兵士になるという歌詞)。
- 終戦後、海沼實が放送用に改作を依頼し、戦意高揚部分を削除して「里の秋」として完成した。
🌾 文化的背景
- 戦後の混乱期に、復員兵や家族を慰める歌として広まった。
- 故郷の秋の情景と家族の祈りを重ねることで、戦争体験を持つ世代に深い共感を呼んだ。
- 現在も秋の童謡として学校や地域で歌われ続けている。
✅ まとめ
『里の秋』は、戦後の家族の祈りと故郷の情景を描いた童謡で、原詩「星月夜」から改作された作品です。静かな秋の風景と父の帰還を願う母子の姿が歌われ、日本人の心に長く残る歌となっています。
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