ペペルーダ Peperuda
(カテゴリー):01 ブルガリア
(ステップ・動作):
「ペペルーダ(Peperuda)」は、バルカン半島(特にブルガリア、ルーマニア、セルビアなど)に伝わる、非常に古く神秘的な**「雨乞いの儀式」**に伴う踊りです。
一般的なレクリエーションとしてのフォークダンスとは異なり、もともとは農作物を育てるための恵みの雨を願う、切実な信仰に基づいた儀礼的なダンスです。
1. 儀式の背景と役割
この儀式は通常、春から夏にかけての乾燥した時期に行われます。
- ペペルーダ役: 村の中から選ばれた少女(多くの場合、孤児や純粋さの象徴とされる少女)が主役となります。
- 装束: 少女は全身をシダやハーブ、ヤナギの枝などの青々とした植物で覆い、素足で踊ります。これは植物の精霊を象徴しています。
2. ダンスの特徴
- 動き: 少女が村の家々を回り、家の前で独特のステップを踏みながら踊ります。腕を広げて植物を揺らすような仕草が特徴的です。
- 水のかけ合い: 少女が踊っている間、家の主人は彼女に水をかけます。これは、天から雨が降ることを模した「類感呪術(似たような行動で望む結果を引き寄せる魔法)」の一種です。
- 同行者: 彼女の周りには他の少女たちが集まり、手拍子をしたり、特定の歌を歌いながら一緒に移動します。
3. 音楽と歌
ペペルーダには専用の歌があります。歌詞の内容は、「神様、雨を降らせてください」「畑を濡らしてください」といった、雨への祈りが込められた素朴でリズミカルなものです。
各国での呼び名
地域によって呼び方が少しずつ異なります。
- ブルガリア: ペペルーダ(Peperuda / Пеперуда)
- ルーマニア: パパルーダ(Paparuda)
- セルビア・クロアチア: ドドラ(Dodola)
現在では、この儀式そのものが日常的に行われることは少なくなりましたが、民族舞踊団がステージ用に構成した「ペペルーダ」を踊ることがあり、バルカンの伝統文化を象徴する重要なレパートリーの一つとなっています。
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